第３回将棋電王戦の結果と棋譜、人間がコンピューター破る！

●第3回将棋電王戦は3月29日(土)　第3局　　豊島将之七段 vs YSS　　

あべのハルカスでの対局です。

今のところソフトがプロ棋士を2-0で有利な状況です。

今回の対局で豊島七段が敗れると

団体戦としてのプロ棋士側の負けが決定してしまいます。

豊島将之七段

今回の豊島七段は人付き合いが苦手だった寡黙な天才棋士少年だったようですね。

２００９年には最多勝率、２０１１年には最高勝率を上げた未来の将棋界を背負っていくような

人材のようです。それに対したのが

YSS（山下将棋システム）

というソフトです。開発者の山下宏氏は１９９７年に第７回世界コンピューター将棋選手権にはじめて優勝した実績を持つ

古参の強豪将棋ソフト開発者です。優勝は合計で３回という実績を携えてプロ棋士を迎え撃ちます。

市販のソフトでAI将棋というものを売っているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか？

癖を読まれないようなプログラムにして挑戦したいと意気込みを語っていました。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv161974585

☆ 結果

先手　　豊島将之七段
後手　　YSS

▲７六歩 △８四歩 ▲２六歩 △８五歩 ▲２五歩 △３二金
▲７八金 △３四歩 ▲２四歩 △同　歩 ▲同　飛 △８六歩
▲同　歩 △同　飛 ▲３四飛 △３三角 ▲３六飛 △８四飛
▲２六飛 △２二銀 ▲８七歩 △６二玉 ▲３三角成 △同　桂
▲２一角 △３一銀 ▲３二角成 △同　銀 ▲２二飛成 △１四角
▲４八銀 △４四角 ▲１一龍 △９九角成 ▲７七桂 △２四飛
▲１三龍 △２九飛成 ▲１四龍 △８八歩 ▲３九金 △１九龍
▲２九金打 △同　龍 ▲同　金 △１三歩 ▲１五龍 △８九歩成
▲４二飛 △５二香 ▲３二飛成 △１四金 ▲８五龍 △８二香
▲８四香 △同　香 ▲同　龍 △８二香 ▲３四龍 △７九と
▲６五桂 △６四銀 ▲７九金 △７七馬 ▲６八金 △７六馬
▲３三龍上 △６五馬 ▲４二龍上 △４四歩 ▲４三銀 △同　馬
▲同龍左 △７六桂 ▲７八金 △８六歩 ▲同　歩 △７四歩
▲６六香 △７二銀 ▲６四香 △５一桂 ▲５四桂
まで83手で先手の勝ち

今回はプロ棋士が完勝しました。

電王戦 公式HP.　http://ex.nicovideo.jp/denou/

☆今回の感想

今回はプロ棋士側が徹底的に研究していたようですね。

特に３月中にはいってからは棋士として対局や研究会以外は１日１０時間ぐらい

研究していたと、対局後に語っていたので徹底的にどんな手をさしてくるかを

洗い出していたようですね。対局数は途中で指すのをやめたのも含めると

わからないぐらい指したといっているので相当でしょう。

じっくりもくもくと研究するという姿勢が今回の勝利につながったようです。

序盤から時間を使わずに指していく姿勢で、その研究がいきていたのではないでしょうか？

序盤に早く指して終盤に時間切れでいい加減な手を指さなくてもいいように

時間を配分するという感じでした。

あまりに早く指すので、ネットでは少し考える時間が出ると

「何で長考してるの？」

「昼食のときに早く指しすぎだって怒られたから」

とか

「おやつの時間に終わったらローソンに怒られる」（対局中のおやつはスポンサーのローソンが出しています）

などと、早く終わることへの心配が冗談を含めてなされるほどでした。

ソフトの穴、弱さを研究するのはハッカーのシステムの穴を探り出す作業のようですね。

その途方もない作業のために

若くないとハッカーはできない

というのを聞いたことがありますが、豊島七段が若かったことも

幸いしたのかもしれませんね。

ソフトの強さはありますが、プロ棋士が研究に研究を重ねれば勝てるものであるし、学習機能や

毎回違った手を指す、どんな将棋にも完全に対応できているわけではない

対策をとられたらプロ棋士には勝つことは難しいということです。

ソフト側の一種の弱点も出ました。今回は上手くそこをつけましたが

弱点がなくなるときは来るのでしょうか？ソフトの今後の発展に期待です。

今回はプロ棋士が一矢報いた形になりましたが

次の対局で同じことが出来るのか？

はたまたソフトが団体戦の勝利をもぎ取るのか？

来週も目が離せません。