第3回、将棋電王戦第4局の結果と棋譜は?
公開日:
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最終更新日:2014/05/19
将棋電王戦
今週もやってきました。将棋電王戦第4局ですが今回はどうなったでしょうか?
☆ 森下卓 9段
今までに6度もタイトル戦に挑戦するほどの猛者ではありますが
一度も田取る奪取ならず、無冠の帝王と不名誉な称号を持つにいたります。
ほとんどが羽生さんに負けているので羽生さんのせいでタイトルを取れていないといえるかもしれませんが。
タイトルをとれないまま年を重ねてきたことにたいして、そして将棋に対しての情熱を呼び覚ましたのが
第2回電王戦でした。塚田9段が不利な状況から持将棋に持ち込み引き分けに持ち込んだことに
感激して涙が流れたそうです。
そうした熱い気持ちで今回の戦いに望みます。
☆ ツツカナ
一方コンピューター将棋のほうは
一丸貴則氏が開発したソフトです。第2回電王戦では船江恒平5段から見事に勝ち星を得た
ソフトでもあります。ただ、もくもくとやれていればそれでいいと思っていた。と、本人は
冷静で淡々とするべきことをする。といった感じの職人気質ですが
それでも第2回大会で自分のソフトと船江恒平5段との熱い対局を見せてもらい感激したようで
そういう意味では、電王戦が今回の対局に携わった二人を駆り立てているようです。
公式HP http://ex.nicovideo.jp/denou/3rd/match.html
☆ 今回の結果
先手 ツツカナ
後手 森下 卓 9段
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲6七金 △4一玉 ▲7八金 △5二金 ▲6九玉 △3三銀
▲7七銀 △3一角 ▲7九角 △4四歩 ▲3六歩 △7四歩
▲3七銀 △6四角 ▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △3一玉
▲1六歩 △2二玉 ▲1五歩 △8五歩 ▲4六銀 △4五歩
▲3七銀 △5三銀 ▲8八玉 △4四銀右 ▲4八飛 △5五歩
▲同 歩 △5二飛 ▲4六歩 △5五銀 ▲4五歩 △4六歩
▲2六歩 △7三桂 ▲1七桂 △5四飛 ▲2五桂 △2四銀
▲5六歩 △同 銀 ▲同 金 △同 飛 ▲6七銀 △5一飛
▲4六銀 △6九金 ▲5五歩 △6八金 ▲同 金 △8六歩
▲同 銀 △5九角 ▲2八飛 △6八角成 ▲同 飛 △4七金
▲2八角 △5七歩 ▲6九金 △8一飛 ▲7七銀 △5八歩成
▲同 金 △3八金 ▲5七金 △2八金 ▲同 飛 △9四歩
▲7八玉 △9五歩 ▲4四金 △8五桂 ▲8六銀 △9七桂成
▲同 香 △9六歩 ▲4三金 △同 金 ▲9六香 △5六歩
▲同 銀 △9六香 ▲6五銀 △9九香成 ▲6四銀 △同 歩
▲5四歩 △5五香 ▲同 銀 △3七角 ▲5三歩成 △2八角成
▲4三と △5五馬 ▲3二金 △1二玉 ▲2二金打 △同 馬
▲同 金 △同 玉 ▲5五角 △3三銀打 ▲同桂成 △同 桂
▲5四角 △4八飛 ▲5八歩 △5六金 ▲3三と △同 銀
▲1四桂 △1二玉 ▲2一銀 △同 飛 ▲同角成 △同 玉
▲2二飛 △3一玉 ▲4三桂
まで135手で先手の勝ち
となり結果としてツツカナ勝利です。
団体戦としてはこの時点で1-3ですから
今回もプロ棋士はコンピューターに勝てませんでした。
コンピューター将棋強し!
今回も少しづつ差をあけられ、僅差のままかなりもつれましたが
最後はコンピューターが読みきり最後にはいつのまにか
差をあけられている。そんな勝負でした。最初はポナンザの評価値では結構接戦だったので
終盤まで接戦のまま推移しましたが最後はコンピューターが押し切りました。
ネットでも言われていますが、今回の勝ち負けの要素の中にどれだけ研究するかが重要である
ということがあります。今回の森下9段は対局しての研究が20局ほどだったので
あまりソフト貸し出しのメリットを活かしきれなかった部分があると思います。
唯一勝っている豊島7段は1日10時間ぐらい棋士としての仕事以外は毎日指して研究したそうですから
その部分が大きかったかもしれません。ただし、本番設定で20局なのである程度以上は
研究していたようですがどうなのでしょうか?
研究の仕方が数をひたすらこなすような対局の仕方、豊島七段がやったような対局方法のほうが
クセは見つけやすいのでしょうか?
じっくり20局でなく途中でやめて次の1局と数をひたすらこなしたほうがいいのかもしれませんね。
今回の対局で終盤、形勢の評価値を計算しているボナンザがツツカナ優勢で9999(つまり詰みまで読みきった)を出したあとに
停止してしまうハプニングもありました。そのすぐ手前までは700前後でツツカナ優勢でした。
すぐに復旧したが、評価値は260にまでもどり徐々に基の数値に近くなりました。再起動で今まで読んだデータが
なくなったのでしょうか?もう終盤だったので評価値はツツカナ優勢で700ぐらいまでもどし、9999になり
完全に読みきったことを画面に映し出しました。解説の棋士たちも完全に詰んだかは読みきれていない
状態でした。
ほぼ詰んでいるであろう、ということしかわからないなかンピューターだけが読みきっているという
なんとも奇妙な状態でした。後半の手数が限られている状態でのコンピューターは間違いがないので
そこからは、ツツカナもノータイムで将棋を指していました。
今回で団体戦としてのプロ棋士側の勝利はなくなってしまいましたが、今後の電王戦はいったいどうするのでしょうか?
統一スペック(高スペックではあっても用意できるさいこうのものではない)
ソフトの事前貸し出し
ソフト直前の改造なし
持ち時間の増加
ここまでやってもプロ棋士がコンピューターに勝てないのでしょうか?
前評判ではプロ棋士有利だったのですがソフはここまでの強さを誇るところまできました。
来週に最後の対局、屋敷伸之9段が最後に意地を見せることが出来るのか?
それともコンピューターが圧倒的な強さを見せ付けるのか楽しみです。
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