第3回将棋電王戦最終局リベンジなるか!第5局目の結果と棋譜!
ついに第3回将棋電王戦第5局目で第3回大会も今日で終了です。
今回の第3回将棋電王戦もいよいよ終わりですが、人々の関心の高さはいまだに
高いようです。明日の情熱大陸では今回の第3回将棋電王戦を特集するようですし
最終局は60万人を超える来場者を数えました。(一度退出して再度ログインした人も+1で数える)
今回の対局は人間側の大将は屋敷伸之9段です。
史上最年少タイトル記録保持者としての偉業を持つ屋敷伸之9段。
ソフトといえども完璧ではない、との言葉通りに
自分の展開に持ち込めるかどうかが勝敗を分けるような気がします。
今のところ1-3でコンピューターが有利です。
プロ棋士で勝っているのは豊島将之7段だけですが、プロの意地を最終戦で見せてほしいですね。
対するは山本一成氏の開発したポナンザです。電王戦のコンピューター将棋選手権でトップになった
このソフトが挑みます。
下に書いてあるニコニコ公式の電王戦5局目を
前にしたいままでの総集編と電王戦の意義のようなものがまとめられた
PVがなかなかかっこよくていいですね。
ニコニコ公式第3回将棋電王戦HP
http://ex.nicovideo.jp/denou/3rd/
☆棋譜と今回の対局結果
先手 屋敷伸之九段
後手 ponanza
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3四歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同歩
▲同飛 △8六歩 ▲同歩 △同飛 ▲3四飛 △3三角 ▲5八玉 △6二玉 ▲3六歩 △7二玉
▲3七桂 △7六飛 ▲7七角 △7五飛 ▲9六歩 △4二銀 ▲9五歩 △2六歩 ▲3八銀 △4四歩
▲6六角 △8五飛 ▲8七歩 △4三金 ▲7七桂 △1五飛 ▲1六歩 △3四金 ▲1五歩 △2七歩成
▲同銀 △2九飛 ▲3八銀 △1九飛成 ▲7四歩 △同歩 ▲5五角 △8二歩 ▲2五桂 △4九龍
▲同銀 △2五金 ▲6五桂 △5四金 ▲1九角 △6五金 ▲9四歩 △4五桂 ▲6八銀 △1六香
▲2八角 △1八香成 ▲3九角 △2九成香 ▲1七角 △1六金 ▲3五角 △3四歩 ▲4六角 △5四桂
▲9三歩成 △4六桂 ▲同歩 △3九成香 ▲8三と △同玉 ▲9一香成 △4九成香 ▲4五歩 △1五角
▲6九玉 △4七角 ▲7九玉 △5九成香 ▲8八玉 △6九成香 ▲7七銀 △7九銀 ▲9七玉 △9六歩
▲同玉 △9五歩 ▲同玉 △9四歩 ▲9六玉 △6八成香 ▲8六香 △7三玉 ▲7九金 △同成香
▲8四銀 △6四玉
▲8一成香 △8三歩
▲9三飛 △8四歩 ▲9四飛成 △5九角成 ▲6八桂 △7二銀
▲8二成香 △6九角成 ▲7六銀 △6八馬左 ▲6五銀 △同玉 ▲6六金 △5四玉 ▲8四龍 △7三銀打
▲9五龍 △8四桂 ▲8五玉 △8二銀 ▲5五金 △同玉 ▲5六飛 △6四玉 ▲8四龍 △9四銀
まで130手でponanzaの勝ち
今回の対局は今までとは少し違う形になりました。今までの対局では
コンピューターのほうが時間を余らせて
勝つというパターンだったのですが、今回はコンピューターのほうが
プロ棋士よりも時間を使う。そんな展開になりました。
そして、GPSの評価値では終始多少のリードを後手のポナンザが優勢でしたが
先手の持ち駒の数がものすごいことになっていました。
後手の攻撃の手が緩まったところを猛反撃を受けて、先手の
屋敷伸之9段の優勢に一気に傾きそうなものをこらえているような
そんな将棋になっていました。こういった作戦なのでしょうか?
今回の将棋は手があまりにも広い、どこに指せばいいのかプロ棋士でも
迷うぐらいに手が多い。というのがポイントのような気がします。
手が広い!ということは検索に時間がかかる。時間がかかればコンピューターも
時間を消費してしまう。そういった手に持ち込んでいるのでは?
と思ってしまいました。大局観をもって終盤まで大局観でささないといけない将棋に持ち込む。
プロ棋士が、人間のほうが得意な分野全体でなんとなく読むということでコンピューターに深く読んでも読みきれないような
局面に持っていく、などというとんでもない作戦にも見えますがどうなのでしょうか?
無意識のうちにそういった対局になってしまっただけでしょうか。
後半戦途中までは非常に屋敷9段のペーストまではいかなくても
互角か、それ以上の勝負をしているように見えました。
が、▲8一成香 △8三歩 で流れが一気にポナンザに行ってしまいました。
屋敷9段も後手の △8三歩 におどろいたといってましたし、ポナンザ開発者の山本氏もこのあたりで
評価値がいっきにポナンザに傾いたといっていたのでこのあたりが勝負を決めた一手だったのではないでしょうか?
GPS将棋が出している評価値も一気に1000以上
ポナンザ有利になってしまいそのまま押し切られることになってしまいました。
また、見ていて面白いと感じたのは ポナンザの△1六香
この香車、▲1九角を狙いに行ったものですが、ここからコンピューターは角をつませに行き
そのときに使ったこの香車はその後先手の王をつませるために△7九成香まで
よせに参加しました。どこまでコンピューターが読んでいたかはわかりませんが
コンピューターソフトに大局観がないというのは今は昔の話ですね。
いろいろありましたが結果、プロ棋士対コンピュータソフトの闘いは
1-4でコンピューター将棋の勝利でした。今回は人間側有利のルールであったにもかかわらず
コンピューター側の圧勝といっていいような結果に終わってしまいました。
しかし、持ち時間が長くなったために前回よりもいい勝負、いい対局が多かった印象があります。
が、それでも事前予想とはだいぶ違った結果になってしまいました。
事前予想では貸し出し、貸し出した以降のソフトの改変は禁止といったルールであったので
対策が取れる分プロ棋士側有利との前評判だったのでしたが
今のソフトの優秀さで対策をとりづらくしている、というソフトの進化が進んでいるという印象を受けました。
今回の最終対局ではトータルで63万人(一度出てもう一度入場しても数は一増えます)もの人がニコ生放送に訪れたので
興味の高さが伺えます。
明日の情熱大陸では今回の第3回将棋電王戦の様子が放送
されるようですし、人を呼べるイベントであることには
違いがないのでドワンゴとしても続けたい企画だと思われます。
これ以降の将棋電王戦もルールの改正、ひょっとしたらもっと人間有利なルールに変わって行くかもしれません。
棋士のコンピューター対策も変わってくるのでしょうか?
人気もあるしこれ以降もなんとか続けてほしい企画ではあります。
ただ、人間の場合ミスがどうしても響いてしまうので、プロ棋士の豊島七段がおこなった様に
1000局近い対局をおこなうなど、対策が必要なのかもしれませんね。
あとは持ち時間がもう少し長くてもいいかなと思います。
次の電王戦はどのように変わってくるのか楽しみです。
第4回は人間側のリベンジはあるかどうか?それともソフトは人間の知力の及ぶ範囲をはるかに超えて
いってしまうのか?
現役のタイトルホルダーが挑むしかないのでしょうか?次があるのなら楽しみですね。
プロ棋士の方々もソフト開発者の方々もお疲れ様でした。一時はたんなる興行プロレス以下のイベント
になるなど厳しい意見も見受けられましたが、どうしてどうしてとても白熱した面白い将棋だったと思います。
こんなに将棋を見たのははじめてかもしれません。ぜひ次も今回以上に熱い戦いを見せてほしいと
思います。
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