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バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)ネタバレ感想

公開日: : アカデミー賞, 映画 アニメ

バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)をみてきました。感想をネタバレを含みつつ書いていきたいと思います。

 

バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)というタイトルですが、やたらと長いたち取るだなー

 

と思っていました。このタイトルにもきちんと意味があります。

 

主演はマイケル・キートンです。どのような映画なのでしょうか?

 

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バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 

はマイケル・キートンが主演の映画です。その昔バードマンというアクションスターとして一世を風靡した俳優であるリーガン・トムソン

 

が主人公です。一斉を風靡したとはいえ売れていたのはバードマンという作品であって、リーガン・トムソンではない。

 

しかし、役者として一旗あげたいリーガン・トムソンは金に女性に、娘に他の役者に振り回されながらなんとか舞台を作り上げようと奮闘していきます。

 

リーガンは精神を病んでいてバードマンの声が聞こえてきます。超能力が使えているように錯覚しているような場面もでてきます。

 

CGやキャラクター、アニメなどの焼きまわしではないまじめな演劇、ツイッターやフェイスブックで騒がれては消えていくような

 

物ではないものを作り上げたいという役者としての思いが伝わってきます。

 

が、その一方で劇が成功するためには話題にならないといけない、youtubeで何回再生されたという台詞が何回も出てきます。

 

そうした話題づくりに疎く、批評家を上手く利用することも出来ない老いてしまった俳優の苦悩がリーガン・トムソンから漂ってきます。

 

その一方で自分を売り込むことに長けて、才能あふれる俳優マイク・シャイナー役としてエドワード・ノートンがでてきます。

 

才能があるがゆえに、自分より輝き世渡りも上手いマイクをみてリーガンは嫉妬し打ちのめされながらも

 

舞台を成功させるために奔走する人間ドラマです。ほぼ1カットで撮影されているようにみえる独特の撮影方法でとっています。

 

舞台の準備、公演など舞台とその裏で躍動する人々を長回しのように(1カットで撮っているように見える)とっているので普通の映画とちがった独特の雰囲気がでています。

 

自分が実際にその舞台の準備に携わっているような、そこにいるような不思議な感覚になるような撮り方で非常におもしろい雰囲気があります。

 

下が予告編です。

 

 

 

☆感想

玄人好みのするというか、芸術、演劇、映画、評論、評判を作り出す世論などかかわる人間への皮肉や反発

 

本音を鋭く描き出した作品だと思いました。ところどころに笑いを誘う表現も含まれていてクスリとさせられます。

 

芸術を、役者としての自分を見てほしいという反面バードマンとして若いころはチヤホヤされていたころの成功体験がわすれられない。

 

無知な自分を本当の役者にかえたいという心と、ネットやマスコミによってたやすく有名になれる人間がいて

 

その反面、自分にはそういうことが出来ないというあせりや嫉妬、所々に出てくる自分が成功できないということへの不満と本音が

 

でてくるマイケル・キートンの演技は見事でした。

 

自分自身がバットマンとして若いころ映画でに出ていたということも役作りにつながったでしょう。

 

売れたけどその後は・・・という俳優というある意味ではドキュメンタリーみたいな作品ですね。

 

ナオミ・ワッツもそういう意味で選ばれたのではないでしょうか?

 

30代まで鳴かず飛ばずの女優だった彼女は何とかして夢のブロードウェー初舞台を飾る女優として出てきます。

 

エドワード・ノートンも年齢的なものと確かな実力といことで選ばれての起用だと思うので半ドキュメンタリー的な作品でもあります。

 

この映画の映画や演劇に対する辛らつな批判では芸術てきなものを作ろうとしていない、簡単わかりやすい、アクション、CG、つたない演技で

 

大衆を満足させるのは十分だという作り手側への批判と、同じような言い回しで作品を批判して大して作品を見ていないだろうという批評家への批判

 

芸術をきどって結局自分が有名になりたいだけの浅ましさはアクションCG万歳の作り手側となにもかわらないという芸術万歳の人々への批判という

 

まさに全方位批判とも言うべき作品だったですね。いいもの作ったって馬鹿にしているネットの力にはかなわないのが現実です。

 

有名になるのはyoutubeやツイッターの閲覧数というのが悲しい現実です。

 

時代の流れとも言うべきこういったことも作品には登場します。作るだけでは・・・というのが現実ということです。

 

ジョージ・クルーニー、アイアンマン、スパイダーマン、など名前を台詞で出したり舞台がNYということもありコスプレして観光客にみせものにしている

 

ことを巧みに利用しながら話に組み込んでいく見せ方も皮肉が利いています。

 

芸術の舞台であるブロードウェイでも一歩外に出ればスパイダーマンに、アイアンマン、ブロードウェイの演劇を目当てに来ている環境客も

 

写真を撮るのは誰でもいい(本物ではない)外面がアイアンマンだったらだれでもいい、リーガン・トムソンではなくバードマンそれが現実という場面が繰り返し

 

出てきます。

 

 

☆カットがわかるように切り替わった意図とは?

 

この映画1カットで撮った様に見えるといいましたが、舞台の初日の終わりに本物の拳銃でリーガンが自殺するというところで血が飛び散り

 

画面が切り替わります。

 

しかし、実際には鼻を吹き飛ばしただけでリーガンは生きています。頭に拳銃を当てているように見えましたが・・・。

 

そうすると、最後の舞台が終わり銃で頭を打ち抜き死んだと思ったが鼻を打ち抜いただけで終わった場面は

 

カットが切り替わったということから考えても別の世界かあの世?ということになるのかもしれませんね。

 

いや、あの世というよりは苦悩していた苦労人が成功者になったという別の演劇の舞台があがった、もしくは第2幕目がはじまったと

 

見たほうがいいのかもしれません。

 

そしてその成功者になった世界で彼が見た新聞には彼の大嫌いな批評家がこう書いています。

 

「無知がもたらす予期せぬ奇跡」と最高に評価されています。

 

批評家はラストを見終わったらすぐに席をたっています。みようによっては現実世界では彼と批評家が前の日に話していたように

 

これ異常ないぐらいに酷評するために演劇を見てさっさと帰って行った様にも見えます。

 

最後の1日と拳銃を撃ったあとの切り替わりが何を意味するのか?

 

老いて苦労した俳優の成功したストーリーだったのか?現実に別れをつげて理想の世界にいったリーガンだったのか?

 

あなた自身がいってぜひ結末を確認して見てください。

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