スコットランド独立は何故？

今、スコットランドがイギリスから独立しようとしていますが何故なのでしょうか？

一体どんな背景があるのでしょうか？最近独立！とか編入など国境を書き換えるようなニュースを

よく耳にします。最近の流行であるならと調べて見ました。

「Europe location SCO2」、uploaded by User:Kmusser (excerpt from User:David_Liuzzo) – Derived from Wikimedia Commons image of original work forming part of the “Europe location” map series created by David Liuzzo: derived from Image:Europe_location_SCO.png. 作、ウィキメディア・コモンズ 提供。

☆スコットランドはどうしてイギリスから独立しようとするのか？

上の地図のオレンジ色の部分がスコットランド、イギリスは濃いオレンジを含んだ薄いオレンジ色のところです。

スコットランドの土地はグレートブリテン島北部の3分の1を占める面積約8万平方km

イギリス全体の約1割にあたる525万人が住んでいます。日本の北海道の大きさ、人口とほぼ同じです。

あと、日本の兵庫県の人口ともちかいです。世界で見るとカナダのトロントが５７０万人ぐらいの都市なのでそれより少ないぐらいです。

中世には独立した王国として存在していたが、17世紀に同じ王を抱く同君連合が結ばれ1707年に統一されました。

スコットランドは独立国家ではなく、国際連合および欧州連合の直接の構成国ではありません。こうしたものに加盟するのは

グレートブリテン及び北アイルランド連合王国（イギリス）です。

☆そもそも何故独立したいのか？何故今なのか？

独立を公約に掲げた政党が3年前地方選挙で圧勝し

イギリス政府も住民投票を容認する以外なかったということがあります。

スコットランドは1997年まで地方議会が認められなかったり、サッチャー政権時代には

主な産業の造船所や炭鉱が次々に整理され、それ以来南側のイングランド特にロンドンへの一極集中が経済格差をひろげて

特に失業率の高い若者を中心に支持が広がっています。

なんだか日本にも当てはまりそうですね。東京への一極集中がある日本でも他人事ではない気がします。

スコットランドの北の北海油田には豊富な油田があり、その税収はなんと年間８２００億円！

その富も南側（イングランド）に吸い上げられていると

思っているひとが多いようです。

もし、スコットランドが独立したらその油田を財源に考えているようです。また、ＥＵに加盟すれば政治的にも安定すると

考えているようです。

が、反対派は独立派は楽観的すぎると考えているようです。

当然です、石油はいずれ掘り尽したらなくなってしまいます。その後の財源はどうするのでしょうか？

独立派は通貨は今と同じでポンドを使い続けたいといっていますが、イギリス政府は使わせないといっています。

ＥＵに加盟できるかも不透明です。たしかに楽観的すぎるという面もあるような気がします。

それぞれの思惑、イギリス、その他の国々

独立されるイギリスにしてみると、スコットランドに独立されるのは大きな痛手です。

人口も、税収も、油田も失うというのは大きな痛手です。

また、今回の独立が成功すれば同じく連合王国を構成する

北アイルランドやウェールズにも独立運動が飛び火しかねない懸念もあります。

そうなれば、旧ユーゴスラビアのように国家が解体されて国力が小さくなってしまいます。

完全な独立国同士だと国境や今までの不満などからいさかいもおこるかもしれません。

ヨーロッパではスペインのバスク地方など、周辺国の過激な分離独立運動を刺激して

最悪の場合、欧州全体で民族紛争が活発化する可能性もあります。

また、国防、安全保障の面からも問題があります。

スコットランド最大の都市グラスゴーから西25マイルの位置しているクライド海軍基地は

スコットランドにおけるイギリス海軍の司令部であり

潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した

ヴァンガード級原子力潜水艦（トライデント潜水艦部隊）の母港でもあります。

もし、スコットランド独立したらこれら潜水艦は移動を余儀なくされ

イギリス政府は安全保障問題を考え直さなくてはいけないということもあります。

ウィキペディア　クライド海軍基地　http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%89%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E5%9F%BA%E5%9C%B0

さて、９月１８日に住民投票開始で

結果は現地時間の９月１９日早朝には結果が判明する予定です。

世界がスコットランドの住民投票を固唾をのんで見守っています。